広島県安芸高田市にて講演させていただきました。
政府から緊急事態宣言が発出されており、また東京の感染者が日に日に増える中で、県境をまたぐ移動をして、広島の皆さんにお目にかかる事は、私にとっても緊張感が高く、また万が一にもご迷惑をかけするようなことがあってはと、大変悩ましい状況ではありました。
しかし広島県独自の対策、広い会場での講演、来場者人数の制限、マスクの着用、着席時のソーシャルディスタンス、私の前にアクリルパネルを設置していただく、手洗いとアルコール消毒の徹底、入場時の検温など、スタッフの皆様に多大なご協力をいただき、皆様にお目にかかってお話しさせていただくことができました。
暑い日でしたので、90分の講演をマスク着用のままで聞いていただくのは、申し訳ない気持ちもいたしました。
もちろん私も徹底的に日々気をつけておりますが、それでも新型ウィルスですし、手洗いやうがい、アルコール消毒にどこまで科学的に効果があるのか誰もわからないのが現状なのではないかと私は考えています。それでも今できることを徹底的に実践しています。
ご批判や様々なお考えがあるかと思います。ですがこのたび私は、皆様の前で直接お話しさせていただけて本当に良かったと思っています。
しんどい思いや複雑な思いを抱えてご来場下さった皆様本当に本当にありがとうございました。
オンラインでの講演も試行錯誤を重ねて続けております。オンラインできることできないこと、オンラインの方が得意なことなど、日々研究中です。しかしやはり場所が広島県であったこと、オリンピック開催直前であったことが、安芸高田市の人権課の皆様にお招きいただきお話しさせていただいた事は私にとっても、とても大切な経験になりました。
その場所に立ってみて、その場の空気を吸って、感じられることもあります。
戦争をしてはいけません。
人に暴力をふるってはいけません。
人を搾取してはいけません。
目まぐるしく変化する社会の中で、私はどこまでが戦争に加担することなのか分からなくなっていました。それでも広島県に実際に到着して感じることがたくさんありました。
人権、人の尊厳は何よりも大切なものです。1部の人だけが莫大な利益を得るのではなく、名のない市井の人々が、当たり前に3食食べて、大切な人と日々を過ごすことができることが尊いことだと本当に思います。
私に戦争を止めることができなくても、私には私にできることしかできなくても、その当たり前のことが守られるように、うまずたゆまず伝え続けていきたいと改めて思いました。
私はLGBTの権利についてのみ、伝えたいわけではありません。大切な人の尊厳、生活、営み、命、全てのマイノリティーの人たちも、困ることなく、特に現在は医療にも同じようにアクセスすることができるように、災害にあっても差別を受けることがないように、そんな社会を作っていくことが大切であると伝え続けていきたいと思いました。
その準備の一環として、まだ知られていないLGBTについて伝えていく事はとても意味のあることなのではないかと感じました。
それぞれの地で、その努力をなさっている方のお力添えが出来れば、こんなに嬉しい事はありません。
私は幼い頃に激しい逆境体験があり、生き延びるのがとても大変でした。正直「生きたくても生きられなかった人もいるのだから」と言われてもピンとこない部分がありました。しかし広島の地を訪れさせていただいて、皆様のお顔を直接拝見することができて、この混迷の時代にまだ私にできることがあるならさせていただきたいと思いました。
ご来場くださった皆様改めて本当にありがとうございました。皆様とまたご縁がありますように。
そして大変な中ご準備くださったスタッフの皆様本当に本当にありがとうございました。
1日1日先がどうなってるか分からないような状態ですが、この夏は心静かに過ごしたいと、何者としてでもなく、心静かに、祈るように過ごしたいと本当に思いました。
中国新聞に掲載していただきました。心のこもった記事をありがとうございました。