自殺未遂ばかり繰り返していた20代前半から半ば頃。苦しんで苦しんで苦しんだ。今思い出しても、あの頃は本当に辛かった。今でも辛いことはあるけれど、それは比較にならなくて、あの頃のはもう別次元の辛さ、痛みだった。
仕事でいやなことがあったとか、パートナーとうまくいかない日が続いてるとか、そういうことは今でもあるけど、死にたかったあの頃の辛さは、もう本当に辛くて辛くて、今では絶対に戻りたくないと思っている。
飛び降り、OD、リストカット。首を吊ってみようとしたこともあったなぁ。一年間自殺未遂を起こさなかったということがないくらい、頻繁に救急車で運ばれていた。
死にたかった。死ねなかった。どうしたらいいのか、まったくわからなかった。なんで自分だけ、こんなことになってしまったのかもわからなかった。それでも、(それだから?)自傷行為をやめられず、そして自殺未遂を繰り返した。
専門家の助けを借りトラウマと向き合って、回復の道を歩き始めた20代の後半。カウンセリングは辛い道のりだったけど、乗り越えてみて、本当によかったと思っている。血のにじむような作業だったけど、私には必要な道だった。
今は、自傷も自殺未遂もしない。そうでなくても生きられる方法があることが、やっとわかったから。
そんな私が、テレビに出て、今死にたい気持ちを抱えている若者たちと出会って、自分の経験をお話しする機会をいただいた。信じられない。奇跡のようだ。
全部をわかることなんてもちろんできないけれど、「そうだよね」「そういうときって、本当につらいよね」という気持ちを語り合わせていただいた。
もし、私の経験が役に立つことがあったら、私はとても嬉しいです。
あの頃の私にはとても信じられないと思う。
こんなにダメな自分の経験が誰かの役に立つかもしれないなんて。
カメラの前では言えなかった。
「私は親を捨ててサバイブしたよ」
「親に愛されなかったんじゃなくて、たまたま生まれた家庭の親に愛する力がなかっただけなんだよ」
それから
「私はあなたに、自傷行為をしないでほしいと思っています」
どうして言ってあげられなかったんだろう?
こんど会ったときには、もしまた番組に呼んでいただくことがあったら、言いたい。
「私は、あなたたちに、生きていてほしいと思っています」と。
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NHK Eテレ
ハートネットTV「生きるためのテレビ」
3月24日(火)25日(水)
20:00〜放送。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2015-03/24.html
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