宝塚

宝塚のいじめ、パワハラ、長時間労働について

証言するのは、被害でも加害でも大変なことだから、できる人ができる範囲でやればいいと思ってきました。

しかし、今回の宝塚の件には、沈黙を破ってはどうでしょうか? そこにあったのは、本当に厳しい指導だけでしたか?
よく語られる宝塚“愛”とは、いったい何を指しているのでしょう。

OGが誰も「後輩が亡くなってかなしい」とも、「呼び出して囲んで暴言を吐いたり、寝かせないのは良くなかったと思う」とも、「あいつはスターになれなかったからひがんで嘘を言っているんだ」とも、一言も、なにも言わないのはいったいなぜでしょう。

後輩の死を悼むことも、今後このようなことが繰り返されないために、パワハラの実態を告発することも、”外部漏らし”ではありません。

ほとぼりがさめたら、同じことが繰り返されるのを見たいですか?
加害の片棒を担ぎ続けるのは何故ですか?
そうまでして、守っているのはなんですか?

教えてほしいと思います。

いまこそ、あの「お話し合いの部屋」に戻って”お話し合い”がしたい。何を考えているのか、何を守っているのか本当に知りたいです。

私の頃は、星組が”厳しい”から星組には配属になりたくないと言い合っていました。宙組は新しい組だから多少ゆるくて、配属された同期が羨ましかったものでした。
変わったんだと思いますが、いつの時代もどこの組でもあることなんです。宝塚の体制が、構造そのものが、問題なんです。

長時間労働もパワハラも、”厳しい上下関係”の中での当たり前の日常なので、「”いじめ”はなかった」と報告されるでしょう。

でも、例えば「みおりのデブじめ」と聞けば、中にいた人は、ああ、と、わかるはずです。

パワハラもセクハラもあったのです。

暴力を振るってはいけないし、暴力にあっていい人はいません。

ご遺族の方の訴えを拝読して、どれほど、どのように追い詰められていったのか、よくわかりました。

私もそうだったけど耐えたから、宝塚はそういう伝統だから、その人がたまたま心が弱かったから、ではすまされません。

人が死ぬほど追い詰めるような「厳しい指導」や「伝統」や「愛」の在り方はおかしいと、匿名でもいいから、沈黙を破ってほしいと思います。

本当はみんな、知っているのです。

ABOUT ME
東 小雪
◯公認心理師 / LGBTアクティビスト / 元タカラジェンヌ◯東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げ、日本初の同性パートナーシップ証明書を取得し話題に。LGBT・女性の生き方などのテーマを中心に講演やメディアに多数出演。著書『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』『レズビアン的結婚生活』等 現在、フォトジャーナリスト安田菜津紀とのYouTube番組「生きづらいあなたへ」を配信中。

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